「貧困保育士」の実情

2017年1月19日 保育の豆知識 google  0

「貧困保育士」の実情

待機児童のニュースから一気に注目が集まった保育士不足の問題。保育士を目指しているみなさんも気になる問題ではないでしょうか。そもそも、保育士のなり手が少ない理由は、保育士の労働に対する給料の低さが原因だと言われています。なんと、「貧困保育士」とメディアで取り上げられているほどです。

今回は、貧困保育士に陥っている具体的事例などをご紹介したいと思います。

 

貧困保育士とは

今までも安いことで指摘されてきた保育士の給料ですが、実は、公立と私立では違いがあります。公立で働く保育士は公務員になるため、勤務年数に応じて確実に昇給し、他の公務員と同程度の収入が確約されています。それに対して問題になっているのは私立で働く保育士の収入です。

初任給はさほど変わらないものの、昇給自体が少なすぎるのです。こうした私立で働く保育士の中で、更に問題になっているのが労働に対する対価です。表面的な給料だけでは表せない、貧困保育士に陥る事例を次にご紹介したいと思います。

 
 

貧困保育士の事例①保育以外はほぼタダ働きしているケース

保育士の仕事内容は、子どもたちの保育のほかにも、保育計画の作成、お便りや指導書の作成、子どもの様子を伝える保護者への連絡帳の記入、保護者との面談、子どもと行なう製作の用意、壁飾りの作成、運動会やお遊戯会などのイベントの準備など、多岐にわたりますよね。

しかし、職員の数に余裕があるわけでもなく、安全面の問題からも子どもたちの保育中に片手間に作業するというわけにもいきません。

したがって、残業することになってしまうのですが、園側からはあらかじめ「書類記入15分」などが基本給に盛り込まれており、超過しても自分の能力の問題とされ、簡単に請求できない風潮になっているのです。ですから結局は家に帰ってからも仕事をすることになり、労働の割に低賃金になる事態が起こっているようです。

 
 

貧困保育士の事例②自己負担が多いケース

保育士は激しく動き回る子どもと過ごすのが仕事ですから、服が擦り切れたり、泥や嘔吐(おうと)で汚れたりすることも多いですよね。保護者からの目もありますから、最低限の身だしなみとして服を買い替える頻度も高いようです。

しかし、問題は、エプロンだけ支給して服は自己負担などというシステムの園が多いことです。そうなると、やはり自己負担する費用がかさんでしまい、仕事着貧乏に陥るようなのです。

また、備品の補充に関しても、あらかじめ決まっている備品の申請日に間に合わなかったら翌月までもらえず、急なインク切れなどの場合は自己負担で購入する必要が出てくるようです。そのほか、絵本やパペットなどを自己負担で購入することもあるとか。これではプライベートにまわせるお金がなくなると嘆く保育士も多いようです。

 
 

ご紹介したのはほんの一例ですが、そもそも賃金が低いと言われている中、更に貧困保育士に陥ってしまう理由はたくさんあるようです。園によっても違いはありますが、保育士を目指す方々にとっては、見逃せない実情ではないでしょうか。