認可保育園の運営費

2016年8月19日 保育士とは google  0

認可保育園の運営費

認可保育園の運営費は99%が国や都道府県、市町村などからの「補助金」で賄われています。
とはいっても、補助金の中には利用者から徴収した保育料が含まれており、その割合は約10%です。

補助金は在園している児童数によって請求することができ、認可保育園であれば、公立でも私立でも支給されますが、公立では4月の児童数、私立は毎月初日の児童数で補助金の額が決定されます。
また、児童ひとりあたりの補助金単価は、児童の年齢や園の定員数、職員の平均勤続年数によっても変化し、半年に一度ほどの期間ごとに見直しが行われています。

■認可保育園の運営費の計算

では、認可保育園の運営費はどのように計算されるのでしょうか。
東京都の保育園を例に考えてみましょう。

職員の平均勤続年数10年以上と仮定した時の、園児一人あたりの単価は、

・0歳児:208,100円
・1歳児:140,750円
・2歳児:125,290円
・3歳児:69,250円
・4歳児:61,730円
・5歳児:61,780円

となります。
そして、この単価に人数を乗じれば、補助金の総額が算出できます。

例えば、0歳児10名、1歳児15名、2歳児16名、3歳児16名、4歳児17名、5歳児17名、合計定員91名の園の場合、補助金月額は約940万円、年間にすると概ね1億1千万超となります。
この補助金が運営費の9割ですので、残りの1割(1000万円強)の運営費は保護者が負担する保育料で賄われています。

■認可保育園の運営費の使い方

認可保育園の運営費はどのような使い方をされているのでしょうか?
これは、園や地域によっても変わってくるとは思いますが、どの認可保育園でも、8割程度が人件費に割かれていると考えてい良いでしょう。
認可保育園では運営費の配分については第三者評価が行われ、人件費の割合もチェックされています。
が85%を超えていると「人件費過多」、70%を下回っていると「人件費過少」とみなされ、指導を受けることになります。

人件費過多の場合は、その他の費用を抑えている(例えば設備の更新などを怠っているなど)の可能性がありますし、逆に人件費過少の場合は、保育士の質低下を招いている可能性も考えられます。
認可保育園は決算書を公開していますので、就職や転職時に園を選ぶ際には、この人件費の率に注目してみるのも良いでしょう。

■運営費の補助金があっても運営難の保育園がある

では、先ほどの例の場合(補助金月額が約940万円、年間で概ね1億1千万超)で、人件費を含め考えてみましょう。

以下の内訳で、保育士数16人のゆとりのある保育を実現しようとした場合
・正規保育士11人(平均年齢35歳):年収750万円(年収500万+園負担の付加給付250万)/人
・契約保育士2人:年収450万円(年収300万+園負担の付加給付150万)/人、
・パート保育士3人:年156万円(時給1000円×6時間×週5日)/人

人件費は年間で9千万程度になり、ちょうど運営費の8割程度になります。

しかし、これは保育士だけの人件費となりますので、看護師や嘱託医、調理師、事務員、用務員、栄養士、園長などの人件費は他で工面しなくてはなりません。

また、上記の例では保育士の平均年齢が35歳ですが、もっと勤続年数の長い高齢の保育士を大量に抱えている園や、年功序列で保育士賃金が上昇するような制度の園は、当然のことながら人件費過多で運営難に陥ります。

以前は国等からの補助金が現在の倍ほどあったため、年収800万円の保育士を雇うことも可能な時代もあったようです。しかし、補助金が削られ続けている現在、勤続年数長い保育士を大量に抱える園の経営はますます苦しくなるばかりです。
ベテラン保育士がたくさん所在する園は保護者の立場からすると安心かもしれませんが、保育園の運営面を考え合わせると悩ましい問題です。