保育士試験の実技がなくなる?という議論について

2016年11月29日 保育士試験対策 google  0

保育士試験の実技がなくなる?という議論について

厚生労働省は、第1回保育士養成課程等検討会で保育士試験で行われている実技試験を実習や講習に代えることを提案しました。すなわち実技試験がなくなるというこということです。実技試験をなくし、実習や講習をするという提案に対し、委員からは現場の負担が重くなることへの心配の声が上がっています。

 

■「保育士試験の実技がなくなる」議論の詳しい内容

現在の保育士試験は養成施設を卒業すれば国家試験を受けずに取得が可能となります。しかし、専門学校卒業者や大学2年生以上で62単位以上修得した人などは、国家試験に合格したら保育士資格が習得できます。筆記試験は8科目になり、全科目6割以上得点すれば、実技試験に進めます。実技試験は音楽、造形、言語から2科目を選択して受ける形です。
会合で厚労省は、保育士試験の受験者に多様な選択肢を与えるために、実技試験を講習または実習に代えることを提案しました。その形になった場合、保育士試験の実技がなくなるということです。参考として挙げたのが介護福祉士の国家試験になります。筆記試験を合格した場合、実技試験がありますが、講習や研修を受講すれば免除されるという仕組みです。
保育士の場合には、講習は養成施設で演習として行っている「保育の表現技術」が想定されます。実習でのメリットは、保育の現場を実践的に学べるということです。その上で厚労省は、国会で国家戦略特区法改正案が成立することで誕生する地域限定保育士の試験から導入する提案しています。

 

■保育士試験の実技がなくなるという提案に保育現場からの声

厚労省の「保育士試験の実技をなくし、講習や実習にする」提案に疑問の声が上がっています。村松幹子・全国保育士会副会長は「保育所への実習や講習の委託について、保育現実を考えれば余裕はない」と主張しています。将来的には現場にも恩恵があるとしながらも「現場での疲弊感も頭に入れてほしい」と訴えました。
また、保育士試験の実技がなくなることで、どこまで人材確保に有効なのか、疑問視する声も出ています。2014年度の保育士試験の場合、実技の受験者は8611人で合格率は89%。不合格者は975人しかいない現状で、藤林慶子・東洋大教授は、実技試験の合格率は高いとし、不適格者を救うことになると主張しています。
これに対して、「保育士試験の実技をなくし、講習や実習にする」提案が通れば、地域限定保育士を実施する神奈川県の石渡美枝子・次世代育成課長は現場の疲弊感に一定の理解を示しつつも「保育士不足の現在で、選択肢を増やすことは望ましい」と述べています。
検討会では、開催時期、地域限定保育士試験の実技試験に代わる講習や実習の科目や内容について当面検討しています。また、保育士の養成課程と国家試験問題との整合性についても考えます。